評論の極意とは ラーメン評論の評論10番勝負

ラーメン評論家があらゆる意味で話題だ。

実は話題となったのはその評論内容とはまた別の事なのだが、これを機にそもそも飲食店の評論とは何か、グルメレビューに求められるものは何かといった議論に発展していた。

「評論家」という肩書自体が言ったもの勝ちという部分もあるが、その活動の基本は評価対象物に精通し、それに対する評価を文章でまとめて発表するというものが一般的であろう。私はこれでもライターのはしくれ、当然グルメコンテンツに対しても常に探求心と好奇心を持ちまくっている。そこで私は今一度グルメレビューとは何かを考え、巷をホットにさせ続けるラーメン評論を例としてそこに記されている文章のイロハを分析していきたい。

これは現在グルメレビューの中心となっているwebサイト内の記事をもとに分析する、いわばラーメン評論の評論である。今や情報の中心はネットの世界、そこで様々なタイプのラーメン評論への理解を深めることで理想のグルメレビューに近づけることは説明するまでもないだろう。

 

■ラーメン評論評論10番勝負

今回はラーメン評論に散見される表現を例文として提示しつつ分析。分析と言うと大げさですが、簡単に言えばラーメン屋口コミレビューあるあるです。それではレッツラーメン評論評論。

 

1.店ではなく自分の周辺情報を語る

寒くなってくるとやはりカラダはラーメンを欲する。ラーメン食べ歩きをライフワークとしている小生も例にもれず、いや暑くてもラーメンを食べているのでありますな(笑)

ライフワークといえば先日も草野球の助っ人として駆り出されたのだがそれ以来どうも肩が痛い。どうもトシには勝てないということかトホホ(^^;)>

今ではすっかりオジサン体型の小生も昔は鉄壁のショートとしてならしたもので──

目当てのお店のレビューを期待してページを開くとレビュアー個人の日記が始まる。それもレビュアーの味の好みを示していたり、店舗の外観をわかりやすくする情報というわけでもない、それどころか数行を費やしてまだ店舗にたどり着いてすらいない。これを読まされた人は何を思えばいいのか、しょっぱなから厳しいラーメン評論の洗礼である。とりあえず早く店に行ってほしい。

 

2.小生

とまぁ小生にも若かりし日々があったわけであります。

えっ!? 誰がオジサン体型ですか( ゚Д゚)プンスコ!

そもそも小生とラーメンとの出会いもそれこそ子供の時分であったわけでありまして──

レビュー記事にはなぜか変わった一人称を使用する人が多く、なかでも「小生」使用率は妙に高い。特別悪いことでも無いが、読んでいるとひっかかるという人もいるのではないだろうか。昨今ではグルメか風俗のレビューでしか見ない表現な気がする。「トロットロにほてったチャーシューもペロリ、熱々になった小生の穂先メンマも大マンゾクであります!」とか書いてても違和感が無い気もする。

 

3.とにかく店に直行しない

そういえば先週この駅で降りた時によさげな靴を売っているショップをみかけた。あの時は時間がなかったのでじっくりチェックできなかったが今日は余裕がある、行ってみよう。

やはりオトコのオシャレは足元から、小生はファッションに無頓着なそこらのラヲタとは違うのであります。(`・ω・´)ゞ

しばしばラーメン店に行く前にまったく関係ない店に寄り、そこそこの文量でその様子を書いてくる時もある。お目当ての店に行くための地図情報的なものかというと全くそんなこともなく、とにかく趣味に傾倒するフリースタイル。そういうのいいから早くラーメンを食え。

 

4.基本的にチェーン店は敵

ちなみに駅前には有名チェーンであるラーメン◯◯系列の□□がある。立地の良さとわかりやすい味で一般人にはそれなりに人気があるようだが、小生のような生粋のラーメン食いには少々幼稚な味に感じられてしまう。

好きなのはかまわないが、こうした画一化された大衆チェーンの味でラーメンを語る輩が増えるのも困り者ですな┐(´∀`)┌ヤレヤレ

なぜか全国チェーン店を敵視する傾向にある。多くのラーメン店や評論家が存在するので有名チェーン大好きという人がいても良い気がするのだが、不思議なことにそうした人はかなり少数派。むしろ批判することで“わかってる自分”を演出することが多い印象すらある。「麺屋○○の支店」「○○家から暖簾分けされたラーメン店」みたいなのは評価が高かったりして、それはチェーン店の一種ではないのかと困惑させられるあたりラーメン評論の道は一筋縄ではいかないと痛感する。

 

5.こんにちは突然のお友達

そんなわけで店に到着。実はこの店、ラヲタ仲間であるmochi33氏、麺鉄氏から事前にすすめられており楽しみにしていた。

とはいえラーメン無頼派ことゲンゴロー氏からの評価はよろしくなかったため、好みの分かれる味であろうと予想される。まぁゲンちゃんは店のオヒヤが軟水でないとかなり評価を下げるので、ちょっと厳し過ぎるきらいがあるのは有名なんだけど( 一一)ウーン

突然知らない登場人物が大挙。筆者の過去レビューを全て読んでいる読者でもなければ、有名とされるゲンちゃんの厳しさはみじんも伝わってこない。ラーメン仲間に顔が広いぜというアピールも兼ねているのかもしれないが、読者を完全にアウェイの空気に巻き込むラフプレーである。そもそもここのくだり全部まとめて「仲間内で評判の店に来た」でいい気もするが、どうなんだろう。

 

6.シンプルかつ自己評価の高いメニュー選び

煮卵入りの醤油ラーメンを注文、味が濁るといけないので卵は固ゆでを指定するのがツウの注文ね。

おそらく普段からラーメンを食べ歩いている人は入店前から何を食べるかを決めているのだろう、あまりあれこれ迷ったりしない。自分の選択や食べ方は周囲の模範となるべきスタイルという絶対的な自信があり、メニュー選びで失敗することなどありえない。仮にハズレメニューを選んでしまったとしても、そんなメニューを用意した店の過失としてレビューする。ラーメン評論家は無敵だ。

 

7.独特な言語

さてさて着丼しましたよ。トロブタにクタネギ、モヤシマシマシ。スープの透明感と上に漂う油膜がキレイに整って食欲もマシマシ(*’ω’*) このお値段では高コスパの具構成でしょう。

「着丼」や「トロ◯◯」「クタ◯◯」等独特な表現を使う方が多いのもラーメン評論家の特徴。二郎系と呼ばれるお店には熱狂的な支持者も多く、ラーメン界隈ではそこから派生した表現を使う人も多い。字面でだいたいは理解できるけれど、たまに「メンカタコイメブタクタネギヌキギタギタアリアリ」みたいなのがとび出すので油断ができない。突然呪文が発せられる飲食店部門ではスタバかラーメン店かの二大巨頭だ。

 

8.突然海原◯山

一瞬固まってしまった、通常ならば中央部に添えられているはずのカイワレが煮卵のやや左端にズレている。盛り付けの構成が変わったのだろうか、しかしカイワレだけが意味も無く移動するとも考えにくい、店主が小生の存在に気付いて試しているのだろうか。

ラーメン全体の調和を重んじる小生に対しこんな挑戦は笑止千万、変化を見過ごすことはできず店員にたずねる。

ラーメン評論とはラーメン店との闘いである。美食家としての高い意識は常に店との真剣勝負、ふざけたクオリティの料理などゆるしてはおけない。たとえ店側にその気が無くとも自分が挑戦と受け取ればそこは決戦のバトルフィールド、付け合わせの位置がいつもと違えばそれが闘いのゴング、調理場への怒鳴りこみも辞さないのだ。

 

9.ポエムフリースタイル

味の方ですね、豚骨醤油をベースとしたオーソドックスな骨太スタイルですが、鶏油をきかせて変化を付けていますね。こうしたちょっとした技が好きな小生ですが、店長さんも私のレビューを読んで勉強されているのかな( ´艸`)

塩味の存在感は荒野に立つ戦士の如く

スープという海に浮かぶ油の透明感が美しい

これが自分の身体に入ってくるということで力を授かる、胃袋が喜んでいるのを感じる

ナンチャッテ(笑)

高評価ということはなんとなく伝わるものの、自意識が過剰に高まり過ぎた影響か謎のポエムが展開される、ラーメン店の情報を知りたくて開いたレビューなのに海と荒野を駆ける戦士に力を授かる、我々は何を見せられているのか。ナンチャッテ(笑)という照れ隠しがこちらの共感性羞恥をマックスまで引き上げてくるという攻撃性の高さもあなどれない。

 

10.店をアゲ、それ以上に自分をアゲるおじさん

難点もいくつかありますが、それを考慮しても高得点をあげて良いお店だと思います。以前通っていた世田谷の◯◯さんに非常に近い味と雰囲気も個人的にはgoodですね(*´ω`*)

ここはうまいラーメン不毛の地とラヲタ界隈で言われていたので、なかなか貴重な存在になりそうですね。まぁ我々の声が地域やラーメン店に届いた結果でしょうか、現在はそれなりに繁盛していますので、店主には慢心することなく味を守り続けてほしいですね。

そうそう、私の個人ブログでも数あるラーメンの名店を紹介しているのでラーメン好きならばそちらも是非チェックを、ここには書けない現役ラーメン店主から聞いた裏話なんかもありますよ!(^^)!

まぁその店主というのは私のアドバイスで店の繁盛を取り戻した◯◯氏なんですが……、おっとここでは明かせませんね、是非ブログの方まで(‘ω’)ノドゾー

お店もいいし、それをとりあげる自分はもっといいでしょというスタンス。何かを評価する時に過剰にへりくだる文章は読みづらいので間違いではないのだが、なぜかその目線は師匠的なポジションだったりするから謎は深まるばかり、おまえは誰なんだ。

そしてここまでの文章全般に言えることだがちょっと古いタイプの顔文字を使用する人は多い。これらは最近ではもっぱら「おじさん文章」「おじさん構文」と呼ばれる文章で散見されるパターンだが、おじさんの中でイケてる文面は20年前から時が止まったままだ。これを守り続けるとそのうち文化遺産とかになるかもしれない。

 

 

■ラーメン評論は独自の世界が日々繰り広げられる暗黒魔境

もともと飲食店は人によって趣味嗜好が現れやすいジャンルだが、バラエティの豊かさが過ぎるあまり根本的にレビューとしてどうかというクセが強い方々が頻出するのもラーメン評論。もちろんごく普通に理解しやすい、共感を得るラーメン評論もたくさん存在しているが、クセの強いレビューの存在もまた、特別な資格や経験が無くても自由に書き込めるレビューサイトの魅力。

もちろん個人や店を傷つける内容は良くないし、読みやすい読みにくいといった意味での使いやすさにも差がある。しかし考えてみて欲しい、クセの強いラーメン評論もまた味の一つ。たとえば痛い文章とされるおじさん構文も、昨今のSNS上では笑えるネタとして愛されていたりもする。

そう、特殊な傾向があるにせよラーメン評論もまた愛の結晶。つい誰かのアラさがしをしたり、強い言葉を使って非難したくなった時、ラーメン評論を思い出してほしい。気を落ち着けるためにラーメン評論を書いてみてほしい。みんながラーメン評論への理解を深めればそこはもうやさしい世界だ。

 

どうにも腹の立つことがあったので、ネットに罵詈雑言を書き立ててやろうかと思ったがここはグッとこらえてラーメン評論、お気にのラーメン店にやってきました。いつもながらこの下品なまでに真っ赤な暖簾をくぐると、ムワッと立ち込める濃厚な空気に小生の期待が否が応でも高まりますなw 腹は立てずにアッチの方を立てろというわけでしょうか、やかましいわw

というわけで注文したのはいつもの特製ラーメン、透き通るようなスープをまとい艶めかしく誘うような麺、小生もたまらずイタダキマスとむしゃぶりつく次第であります(*’ω’*)

こりゃたまげた、濃厚こってり系と思いきや後味はスッキリとく小悪魔仕立てであっというまに撃チン。ペロリといけば心も体もアッツアツの大マンゾクでありまして、こりゃあ延長せねばと替え玉にもついつい食指が伸びてしまいますわなw

 

いつの間にか風俗評論みたいになってしまったが、とにかく平和で楽しい雰囲気に包まれたから結果的には大丈夫なやつだ。そう、ラーメン評論は無敵であり、風俗評論はもっと強い。これが評論記事の理想郷である。